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一服いかがですか。 どうぞ、ごゆっくり・・・


by nakazawasoju

神戸 湊川

立春を過ぎると、祈願と共に

1年何とか送れたお礼を言いたくて

神戸湊川神社でご祈祷を受ける。

楠木正成公に憧れが無くはないけれど、

祖母、母の戦前からの原点のこの地に

安堵感があり、特にお世話になった

楠木寺は、気持が落ち着く。

祖母から神戸の話は聞くことは無かったが、

母からは、幼い頃の戦中の記憶だけは聞かされた。

2人ともそれ以上は教えてくれなかった。

母とは、彼女が旅立つ前に遮断されていたルーツを

ようやく平常心で語り合った。

玉岡さんの小説の続きのような

あまりにも深い内容だったが、

僕も少しは大人になったきたのか、

彼女の話したくない気持ちと、自分のルーツを

スッと受け入れられた。

母が旅立って2回目のご祈祷。

ここにいる自分が、どういう方向かわからないけど

かなり変化した感じがあった。

19歳で父が旅立ってから、39歳で母との別れをする

20年間が、以前は振り返ることに恐れがあったが、

面白く見つめられるようになったよう。

ありがとう・・・なんて恥じらいもあってか思いたくなかったが

辛い過去も成長の石段という思いも交えて

ありがとう・・・とお辞儀をしながら気持ちがこみ上げた。

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如月。そして衣更着。
この時期に何枚も衣服を着こむように
淡路の友人、護国寺 三富君や陶芸家 大前悟 はじめ
居留地オリエンタルホテルの若くて質の良いエネルギーが
溢れているスタッフなどの気持ちの交流が
ちょっと疲れていた自分を何重にも包んでくれた
寒い2月の暖かい日だった。

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# by nakazawasoju | 2012-02-18 13:02

立ち昇る

2月3日。

またひとつ年を重ねた。

40にして、未だ惑い、

42にして、人は惑うもの・・・ということに惑わず!?

受け入れる勇気と、捨てる寛容さみたいなものを

持てる年にはしたい。

日付変われば、立春大吉。

暦が変わる。

釜から湧き上がる湯気が、

龍のようにみえた。

茶席のみならず、五感で共有し合う

人との交わりを

大切にしたい。。。

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# by nakazawasoju | 2012-02-03 14:01

存在

関東近県も寒い週末だった。

知人の北海道の雪降ろしの写真を見たら、

家がソフトクリームになっていて、

都内の積雪のニュースは

2センチの積もった雪をちりとりでよけて

通りを作っていた。

生活スタイルが違えば、自然との向き合い方も違うよう。

曇り空の合間から、お日様が薄い光を届けてくれていた。

気温の足しにはなっていないだろうが、

その存在を確認できただけで

暖かく感じてくる。

母が永眠した時、昭和30年代に日本で暮らしていた

アメリカの友人から、当時を懐かしむ文と共に弔電を頂いた。


隣の部屋のキャンドルが、私のこころを灯してくれたいた・・・

その暖かさが、実は私の支えだった。。。

という詩を引用して、母との思いでと哀悼を記してくれた。

そして、僕も彼女にはニューヨークでお世話になるが、

その彼女の優しさが、何かを照らしてくれていると

強く感じた。

直接的でなく、ふと、気が付き、そしてその存在の

大きさも知る。

ありがたいなあと。。。


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そう、文教大学学園のフリーマガジン きゃんばすα 新春 vol.22 
の巻頭を書かせて頂きました。

http://www.bunkyo.ac.jp/stf/chiiki/
# by nakazawasoju | 2012-01-23 12:06

寿ぎ

電磁波のものを全て脇に置いて

ありのままの姿で、東と客人と

炉を囲んで、茶を飲み交わしながら

胸の内を語らう。

どうも我々の脳の海馬には、目の前の人と

エネルギーのやりとりをすることより

いつも手に握りしめている、魔法の機械で

外と繋がることに安心を覚えてしまっているのだろうか・・・

昨日は、知人を招いての初釜を催した。

狭い空間で 何も知らないので。。。という素直な

気持ちで、ひとつずつ動作、会話を試みる姿、

それ自体が美しく感じる。

禅は、捨て去る修行、なりきる修行と

東慶寺でも教わってきた。

今の時代には、情報が氾濫する中で

いかに自分に不必要なモノを捨て去るか、

そして、いかに迷いなく求める自分像に

なりきるか・・・

そんな風に、とれるのかも。

たった数時間の人との暖かい交流が、

数日かけて準備をしてきたことを

ありがたい気持ちにさせてくれる。

ひとは、ひとによって傷つけられるけど、

ひとは、ひとによっていつも助けられている。。。

一服。

薬としての効能以上に

こころにゆとりの処方箋。

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# by nakazawasoju | 2012-01-10 10:50

無事

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誰だって、この社会に、この経済状況に

不平不満が山とあり、

何より、自分を高めようと思っても

その道しるべすら見つからなくなってきた。

無事是貴人。

お茶なんぞをしていれば、12月にはこの軸を掛けて

1年を無事に生きてつないできたことが

なんて尊いことか・・・なんていう話がお教室では

よく聞かれる。

でも、そういうことをアタマで覚えてきた時代も

もう終りなのかな。

明日が来ると100%信じられない時代に

なってきた感がある。

その昔の、乱世のように。

本当に、無事であることが、何よりも貴い。。。

北鎌倉、東慶寺。

墓の掃除をして、花を入れた。

何のヒントも、パワーも両親、祖父母から来なかった?が、

夕陽のあたる対面の円覚寺をボーッと眺めていたら、

一番大切なのは、やはり笑顔なんだな・・・と

その柔らかい光景に導かれた。

当たり前のことが当たり前にできる。

これも、貴人なのかもしれない。

人は疲れていると、人にエネルギーを取られることに

過剰に反応する。

本来は、お役に立てればと思っていても

枯渇し、神経過敏の状態には、重くのしかかる。

自然の中に身を置き、そして、あるがままに感じ

陰陽のバランスを整えチャージする。

それが、コミュニケーションの裏にある

自分作りなのかもしれない。

それが、さりげなくできる人も

これからの時代は貴人に価するのかも。

夕陽が山門に消えていく。

無事でいると、また自然の移り変わりが楽しめる。

無事是貴人。

もう、年の瀬。

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# by nakazawasoju | 2011-12-30 18:28