この日を迎えられることが、ぼくにとっても、ありがたく、特別な時間になりそう。。。
7月15日(金)に親友のパリ在住フルート奏者、佐藤真由とその仲間 アルテ・コンボが
日本ツアーの合間に、チャリティーコンサートを催す運びとなった。
3月11日パリで、僕から真由さんに言ったのかな。
日本にすごい地震がきて、津波も襲ったらしい。
そして、彼女のところにも、実家を見舞う連絡が相次いだ。
刻々と事態の深刻さがわかってくる中、
パリでこの瞬間、いったい何が出来るんだ・・・と
半分苛立ち、半分もどかしさで気持ちが乱れていた。
まず、彼女は日本人であり、そしてコンサートやリハーサルも
立て込んでなかったので、僕の茶のデモンストレーションなどの
手伝いをひたすらしてくれた。
そして、真由さんが友人などにも、別の茶会の企画をしてくれて
急遽、パリの音楽家たちへの会も催すことにもなった。
茶の用意しながら、また新しいニュースを耳にして
こんな時に茶なんてやっていていいの??
ライフラインもままならない状況なのに。
どうしていいかわからなかったが、
今できることは、いらして下さる客人にこころからの
おもてなし、日本の美を感じて頂くことだなと話合い
結果的にいい時間を、パリの方々と共有できた。
ただ、心配して下さる言葉が、かえって
状況を把握しきれてないがゆえに、苦しくもあったけど。。。
そして、原発。街には根拠のない噂も飛び交い・・・。
もう、いうまでもなく。
数日後、真由さんと野村萬斎さんのフランス人向けの
ワークショップにお邪魔させていただいた。
狂言という枠から入り、日本をどこまでも知ってみたいという空気が
生徒さんの舞台を見ていて、強く感じた。
その帰りに、こんな話をした。
文化・芸術がライフラインの一役を担うことはないし、
今、すぐに生きるために必要というものではないけど、
大げさだけど世界から人がみんないなくなったわけでないから、
また、こんな状況下でみんな疲れていて、だからこそ安らぎや、勇気を
未来への光を、さしあげられるアーティストでありたいよね、と。
そして、僕のスペインでの義捐金茶会の際にも
逆に、私は日本に帰国した際には、仲間のフランス人たちと
日本を勇気づける音楽を、届けたいと話してくれた。
この4カ月、多くの方が、様々な方法で、
自分たちのできることで具体的に動かれたのだと思う。
何かしらの弊害はあったとしても。
そして、あのパリで悶々とした歯がゆさから、
佐藤真由、またアルテコンボのメンバーが
東京で、気温35度、エアコン28度で体力を消耗している
我々に、パリの風を感じさせてくれる日が来た。
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Pray for JAPAN
~アルテ・コンボ 東日本大震災 チャリティーコンサート~
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パリを拠点に活動している木管五重奏団「アルテ・コンボ」が来日、
東日本大震災で被災された方々、そして復興に尽力する皆様の為に
心温まる音楽をお送りします。
入場は無料ですので、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
募金箱を用意致しますので、皆様の温かい真心を
お寄せ戴けましたら幸いです。
皆様よりお寄せ戴いた募金は全額震災の支援活動に
充てさせて頂きます。
ご来場、お待ち申し上げております。
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■日程 2011年7月15日(金)
■時間 18:30開演(演奏時間約1時間)
■場所 株式会社パソナグループ 本部オフィス
1Fエントランスステージ
東京都千代田区大手町2-6-4
http://www.pasonagroup.co.jp/company/map_g.html
■入場無料
※当日、募金箱を設置させて戴きます。
皆様の温かいお気持ちをお待ちしております。
■演奏曲目(予定)
バッハ:G線上のアリア
ガーシュイン :パリのアメリカ人
久留智之: クラップ・スラップ・トレンブル
ベリオ:オーパス・ナンバー・ズー 他
■演奏者 「アルテ・コンボ」プロフィール
2007年にグループ結成以来、木管五重奏オリジナル作品をはじめ、
映画音楽、創作、現代音楽…と幅広いジャンルに渡る演奏活動を行う。
ピアノ、弦楽四重奏、歌い手、語り手などとのコラボレーションも積極的に行っている。
Mayu Sato - 佐藤真由(フルート)
パリ国立高等音楽院にて、アラン・マリオン、ヴァンサン・リュカに師事。
これまでに、パリ管弦楽団、ベルギー国立管弦楽団、
東京フィルハーモニー、群馬交響楽団にエキストラ出演。
2005年7月より、フランス再渡仏パリ市内在住、
室内楽グループ、ダンサーとのコラボレーションなど活動中。
Baptiste Gibier -バチスト・ジビエ(オーボエ)
パリ国立高等音楽院にて、ダヴィッド・ワルターに師事し、
1999年に優秀賞を取得。
2001年フランス国財団(Fondation de France)一等賞を受賞。
現在、パリ国立オペラ、フランス国立管弦楽団、トゥールーズ・
キャピトル国立管弦楽団等のフランス主要オーケストラにて活動。
Annelise Clement -アンリズ・クレモン(クラリネット)
ジュネーブ高等音楽院(スイス)にて、トーマス・フレドリに師事し、
2003年ディプロムを取得。
現在、各オーケストラをはじめ、室内楽、即興、そして現代ジャズの
グループも持ち、また、劇団と共に、ミュージカル・スペクタクルに
定期的に出演し、幅広く活動中。
Cyril Normand -シリル・ノルマン(ホルン)
パリ国立高等音楽院にて、1993年から1995年の間に、ホルン科一等賞を、
また3つの室内楽において、それぞれ一等賞を取得。
現在、パリ国立オペラ、フランス国立管弦楽団、フランス国立リル管弦楽団、
イル・ド・フランス国立管弦楽団などに定期的に招かれ、活動を行っている。
Frank Sibold -フランク・シボルド(ファゴット)
パリ国立高等音楽院にて、ジベール・オーディン、マーク・ヴァロンに師事し、
2001年に満場一致の優秀賞を取得。
所属する室内楽グループ、エリクシル四重奏、10人による吹奏楽
アンサンブル・アヴァンティと共に、ヨーロッパ・アンサンブル
音楽コンクールにて入賞。アルテ・コンボにおいては、編曲も務める。
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今回、時間もない中で、この企画を一緒に考えてくれた人がいる。
僕のパリからの一連の話も、興味深く聞いてくれて、
自分にとっての新たな義損のカタチにトライしたいと
申し出てくれた。
会はこれからだけど、ひとまずここまで現実性を持たせてくれて
感謝しています。
色んな方のチカラが混じり合って、構想3月11日パリで始まり、
この10日間で丸の内で企画から実現にたどりついた
チャリティーコンサートです。
決してパーフェクトのコンサートではないと思いますが、
パリの風を感じて頂き、そのお気持ちを、義捐金箱に
納めていただけたら幸いです。